HSC子育てで困ったこと 乳幼児期

現在小学生の娘は多分HSCです。HSCという言葉は今では浸透して育児方法も色んな所で見かけるようになりました。娘の場合は乳幼児期にすでにHSCの特徴が表れていたなと思います。今赤ちゃんが泣き虫で困っていて、みんな出来てるのになぜ我が子は出来ないのか、自分が悪いのかな?とか○○するべきだとか、そんな風に自分を責めてしまってるお母さんがいたら、そうじゃないよと伝えられたらいいなと思っています。

娘は赤ちゃんの頃からなんだか他の子と違うなと感じる事が多く、敏感で繊細で困る事や悩みが沢山ありました。

電気が暗くなったら泣くしインターホンや電話の音にも敏感に反応したり、音の鳴るおもちゃを嫌がり、赤ちゃんが笑って喜ぶと聞いたぶるぶる震えるぬいぐるみも泣いて怖がっていました。

また、あの大人気の絵本「だるまさんが」は、娘も喜んでよく読んでいましたが同シリーズのだるまさん「の」は大泣き。眼鏡をかけただるまさんの絵が描いてある表紙をみて怯えて泣いていました。

場所見知りと人見知りがとにかく酷くて、抱っこからおりられず誰かに話しかけられると泣くのでママ友も作れなくて、楽しそうに遊ぶ子供達とお喋るするママ達を遠目にみるばかりでいつも孤独感を抱えていました。

だけどある時に出会った先生から教えてもらった事、そしてHSCという言葉を知り寄り添うとは具体的にどうする事かなどと考えるうちに不安が少しずつ消えていき悩みを一つずつ乗り越える事が出来ました。今の娘は笑顔で毎日小学校に通っていて習い事もやっています!母子分離不安が強かったですが幼稚園も3年間通う事が出来て楽しい思い出でいっぱいです。

実際に娘がHSCで困ったこと、そしてどう乗り越えたのかを書いていきたいと思います。

困りごと①支援センターに行けない

乳児期に一番悩んだのは支援センターに行けない事でした。どの支援センターに行っても大泣きしてしまうのでまず中に入るだけで一苦労。なんとか中に入ったところで抱っこから降りられずただ私にしがみついているだけなので何の為にきたのかわからない。他の子供が近付いたり誰かが話しかけてくれると火が付いたように泣くので結局何もしないままに帰るしかなかったし、他の親子に申し訳ない気持ちとか、恥ずかしさとか、何故他の子のように出来ないのかとういう焦り、他に娘のように泣く子を見かけなかったので誰とも共有できない悩みに孤独感も強く、何ヶ所かの支援センターにチャレンジしてみたもののだんだんと行かなくなってしまい、結果平日は家にこもって出かけるのはスーパーくらいになってしまいました。

困りごと②公園で楽しめない

誰もいない公園は大丈夫だったのですが誰か他の人、他の子供がいる公園は即帰りたいという状態。なんとか入った公園でも砂が手につくと嫌なので砂場用のおもちゃを触れない、そもそも砂場に入ることが出来ない。そして支援センターと同様抱っこから降りられない。少し大きくなって遊具で遊べる年齢になってからは滑り台に行きたいけれど一人ではチャレンジ出来ないのでいつも私も一緒に滑っていました。ハイハイの赤ちゃんですら手をついて遊具の階段を上ったり滑り台に挑んでいるのに。砂場遊びも遊具も、頑張れ!やってみて!みんな楽しそう!とチャレンジしてほしくて必死に声をかければかけるほどに頑なに拒否されてしまい、何もチャレンジしようとしない姿勢に周りと比べてしまい苛立つ。そうすると帰りたいと言われてしまい親子で全く公園を楽しめずに帰るという事がよくありました。

困りごと③掴み食べをしない

手に何かが付くことが嫌で仕方がない為、食事の掴み食べをほとんどしませんでした。離乳食もほとんど食べなかったので第一子だったこともあり真面目に考えすぎて「離乳食 食べない」「掴み食べしない」などど検索しまくり「いつか食べるようになります」なんて回答をみてはいつかじゃなくて今困ってるんだけど、と求めている答えが得られないままに時が過ぎていきました。(まあ結局は離乳食を飛ばして幼児食の年齢になった頃に食べるようになってきたのでインターネットでみた答えがそのまま当てはまったんですけどね。笑)子育てを育児書通りにやらなければいけないと頑張っていた当時の私は掴み食べはしなければいけない。それが子供の成長に大切なのだと間違った思考でなんとか掴み食べさせようとし続けてしまっていたのです。軟飯をのりで挟んでみたり、離乳食の本に書いてある通りに野菜をスティック状にしてみたりおやきを作ったりしたけれど手で掴んで食べてくれることはなく、食べさせてあげるばかりでした。

他にもありますがとにかく怖がりで何事にも慎重、些細なことにも敏感でありとあらゆる場面で泣く。抱っこからおりられない。遊び場に行っても遊ばない。そんな娘でしたが私が変わったことで娘にも変化があり、少しずつチャレンジできることが増えていったんです。

困りごとをどう乗り越えたか

①場所見知りで泣いてしまう時は「泣いてていい」

支援センターにも行けなくて、公園でも楽しめず平日は娘と家に引きこもり出かけるのはスーパーくらい。そんな生活を送っていた私が娘と支援センターも公園も楽しめるようになったきっかけは「泣いてていいよ」と言ってもらえた事。

子供が泣いていると「こんなに楽しいことがあるよ」「みんな楽しそうだね」とか、「このおもちゃどう?」なんてポジティブな声掛けで泣き止ませようとしますよね。もちろんこれもとても大切なことでこうしたポジティブな声掛けで泣き止みチャレンジ出来ればいいのですが、そうはいかないのがHSCの子達。周りに迷惑だからとか色々と理由はありますが泣き止ませようとすればするほど泣いてしまいませんか?HSCの子が泣いている時、おもちゃや何かで気を紛らわせられるものではないんですよね。場所見知りの激しい子は知らない場所へ連れていかれる不安感が大きいですよね。行きたくないから泣くのであって中にどんな楽しいことが待ってるよと言われても、言われるほどに行きたくない気持ちをわかってもらおうと余計に泣いてしまう。だってその場所に入ってどんな何が待っていて何をされるのかとわからない事に対してとても不安なのだから。

そんな子達の不安感を取り除くためには「抱っこしててあげるからね」「大丈夫お母さんがついてるよ」と頑張らなくていい、嫌なことはやらなくてもいいんだよと教えてあげる事だと気付きました。

これは決してネガティブな声掛けではなくて自分で選んでいいのだという当たり前の事。

中に入れば楽しい事が待っている

だけどやりたくないなら抱っこしててあげる

いつでも自分のタイミングで楽しめばいい

こんな風に伝えてあげて、泣いている間は望むだけ抱っこしてあげる。

そんな風に同じ場所に何度も通ってあげるといつかその子のタイミングできっと一歩を踏み出すことが出来るのだと思います。

②チャレンジしないのではなくて観察している

公園の遊具でもおもちゃでも積極的に遊んでほしいのに嫌がって全然やってくれない。そう思っていました。でも支援センターで学んだように同じ公園に何度も行き、娘が進んで遊ばなくても無理に背中を押さずに望むままに抱っこして過ごしていると娘が周りをとてもよく見ている事に気付いたんです。公園の遊具や砂場で遊んでいる他の子供をただ見ているだけ。あれをやってみよう!とかこちらが何かにチャレンジさせようとしていた時はすぐに帰りたがった公園も抱っこして過ごすと嫌がらない。そしてただ見てる。そうやって同じ公園に通っているとある時自分から遊具に行きたいと言い始めました。もちろん1人では出来なくて一緒にだったけど頑なに拒否して泣いて帰りたがった頃からするととても大きな一歩でした。

③触れなくてもいい

泣いている間は無理強いせず待ってあげる事、とも共通しますがこれもまた触りたくないものを無理に触らせる必要はないのだと気付きました。娘が触るのを嫌がっていた間は私が変わりに触って見せてあげるようにしていました。その時「娘ちゃんも触ってみて」などど声をかける事も辞めていました。公園遊びの時と同様に観察させてあげてさらには、拭けば(洗えば)綺麗になる事をみせてあげたんです。これも時間はかかりましたが気が付けば色んな物を触れるようになっていました。とは言え手についたらすぐに拭く、洗うというのは小学生になった今も変わりません。それでも砂遊びものりを触る事も出来るようになったのは見せてあげる事待ってあげる事が出来たからだと思っています。

最後に

どんな子育てでも共通しているのかもしれませんが私がHSCの娘と過ごして気付いた事は、本人に選ばせてあげる事待ってあげる事です。「やってもいい」し「やらなくてもいい」と自分で選べる事にきっと安心感を得られるのだと思います。そんな安心感の中でじっと観察する事で自分からやってみようと言える時がきっとくる。ただどれくらいの時間でやってみようと思えるかはその子によるとしか言えませんが本人がやりたいと言うまでとにかく待つ。「お母さんは待ってくれる」と娘がわかってくれるようになってからは激しく泣くことがぐっと減ってき自分の意思でチャレンジした結果、娘の自信になり次のチャレンジへと繋がっていきました。

HSCの子が泣き虫なのはキャッチする力が他の子より強いから。やらないのなら行かないと言わずに、泣いてしまうしやらないけど、安心できる抱っこの中で沢山の場所へ行きじっくり見せてあげる、そしてやりたいというまで待ってあげる、これからもそんな風に子供達の世界を広げていってあげたいと思っています。

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